エル・サルバドル及びホンジュラスから出土した古人骨サンプルの分析がダブリン大学トリニティカレッジにて実施されることとなりました。- 2025.12.11

更新日:2025.12.11


 本年9月後半から11月にかけて、研究上の大きな進展がありました。まず、研究分担者である名古屋大学伊藤伸幸氏が、エル・サルバドルのチャルチュアパ遺跡群で発掘した古人骨資料のうち、側頭骨円錐部計11サンプルの分析・輸出許可を取得しました。外国人研究者へのエル・サルバドル出土古人骨の分析許可付与は、ほぼ不可能と考えられていただけに、大きな成果です。伊藤氏のこれまでの長年にわたる現地研究者との密接な交流や現地への貢献が評価された結果だといえます。これらのサンプルは、アイルランド・ダブリントリニティカレッジに勤務する研究分担者である中込滋樹氏(金沢大学兼任)のもとへ無事移送され、すでに解析に着手されています。次に、研究代表者の中村がホンジュラスで発掘した古人骨から採取した歯のサンプルのうち、すでに解析が終了した13サンプルに加え、追加の173サンプルもダブリン・トリニティカレッジへ無事移送され解析が始まっています。パレオゲノミクスにおいては、独立した2機関で解析結果を相互に検証し、補完することが極めて重要であると考える観点から、これまで採取してきたDNAとその解析結果について、金沢大学とは別機関を選定して実施するものです。現在、成果が出ているサンプルから、順次、論文化作業が進められています。